神田のオーラル・ヒストリーVol.2 三科 清一郎さん「運営視点での神田祭‐直会と賄い」

by 管理者
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神田祭に関わる人たちにとって、神田祭はどのような意味を持つのでしょうか?

三科 清一郎さん(鍛冶町二丁目町会所属)

聞き手:広瀬 征由さん(神田在住)
※2023年5月28日収録

直会(なおらい)について

広瀬さん(以下、広瀬):反省会のようなことも、直会(なおらい)¹で一緒にやるんですか?

¹直会とは、祭りの終了後に、神前に供えた御饌御酒(みけみき)を神職をはじめ参列者の方々で戴くことをいいます。
神社本庁ホームページより:https://www.jinjahoncho.or.jp/omatsuri/jinja_no_omatsuri/naorai

三科さん(以下、三科):神輿を神田明神に戻した日に、一緒にお囃子の屋台も戻したんです。その後で飲み会をやりましてね、反省会をやりましたね。
私が聞いたのはお神輿とお囃子の関係が今回うまくいったということです。例えば距離の取り方とか。そういうのを青年部の幹部の人に私から聞くというのをいたしましたね。
広瀬:そういうのはコミュニケーションとして大事ですよね。あんまり日にちが経っちゃうと忘れちゃうしね。
三科:その時の答えは、問題なかったという人もいましたし、うーんまあ問題なかったんだけどあえて言うならあそこで離れちゃったのが悲しかったねという人もいましたね。 実はね、宮入で坂を上がっていくときにお囃子と神輿が警察の黄色い線に阻まれて、間隔をおいてしまったときがあったんですよね。信号とか警察の誘導でたまたまおきちゃって。そうすると神輿から見るとお囃子がなんか先の方に行っちゃってるっていう場面があったので、そこだけはちょっと寂しかったみたいな声がありましたですけどね。
広瀬:自分の町会はお囃子部隊はないので常にそんな意識してることじゃなかったのですが、ずっとお囃子がついてる町会さんにとっては身近に音がなくなるのはやっぱり寂しいもんなのかなって感じますね。
三科:神輿と車2台分ぐらいの間隔を置いてゆっくり行きましょうねって言ってるんですけど 、問題は信号があるとかね、警察がどういう誘導するかによって途切れちゃう場合があるんですよね。今回は宮入をやった後にもこういう場面があって、警察の人がお神輿に対して信号が変わったから早く行きなさいと言ったんですけど、我々は神輿が来ないから信号は渡れないって頑張るわけですよ。そこに若干バチバチっとね。警備の方針は分かるんですが、お神輿と一心同体で動いていきたい気持ちがあるんでね。
広瀬:そこはおまわりさんも分かっていないと思いますからね。
三科:お祭りが好きな人の対応は違うんですよね。大好きな人は「待ってていい。待ってていい。今日は仕事したくない。神輿担ぎたい」って言ったりね。
広瀬:おまわりさんの中でもベテランの人は結構ズバズバ言うんですよね。若い人はあんまり言わないですけどね、立場的にもよく分からないし。うちの町会には結構若い人が来ましたね。若い人だから多分何も言わないなと思ったら本当に何も言わなかったです。こちらの言いたい放題っていうか。
三科:そういう意味では本当は警備の人も含めて直会をやった方がいいですよね。まあ警備の人と酒飲むのがいいかはわかりませんが。
広瀬:全体的にどうだったってことをまず振り返るのも非常に大事なことだと思うので。

賄いについて

広瀬:神輿とかお囃子さんは割とお祭りに対して花形じゃないですか。縁の下の力持ちである食料班・賄い班の方々が結構大変なんですよ。賄い班の大変さについて聞いたことあります?
三科:簡略化しようという動きがありましたね、お弁当だったり。例えばコンビニあたりで買って出せるようなものでいいんじゃないかという流れになってきていますよね。人手も出せませんしね。
広瀬:食事を調達する場所なんですけど、町会内に町会員さんのお店があったりするので、なるべく町会員さんのお弁当を使うようにといった暗黙の了解のようなものがありまして。コンビニさんもいっぱいありますけど、コンビニって人と人とのつながりがないじゃないですか、明瞭会計が一番の利点かなというくらいで。あとはパンとか軽食を揃えるにはコンビニさんを利用しますけど、神輿の担ぎ手のお腹を満たすにはしっかりしたお弁当じゃないといけないということで、土曜日のお昼は近所の町会員さんの鰻屋さんを使わせてもらったことがあります。 三科さんのところでは、食事調達場所の選定の仕方とかあります?
三科:私の町会では、お弁当は終わった後、町内の学校の校庭に戻ってきたときに出します。軽食はおにぎりとかパンとかそういう形ですね。前回はきゅうりを切って塩もみしていたのを出していたけど、今回は無かったから人手を使うのは省いたのかもしれません。
広瀬:塩分補給ですか?バナナじゃなくてきゅうりなんですね。うちの町会はバナナを出しました。栄養補給はバナナなんです。運ぶのが楽じゃないですか、立ちながら食べられるし。
三科:ひたすらおにぎりを食べさせられました。もってけもってけと3つ4つ食べろって感じでね。おにぎりはコンビニで売っているようなものだったかな。お弁当もいろいろコストを考えて、伝統的にやってきたものを少し変えたっていうのもあります。
広瀬:やっぱりどこも奉納金の集まりが思わしくない。前回まず奉納金がもらえたっていう仮定でやってますんで、神田明神さんの分担金がありますけど、ほぼほぼ食べ物とか飲み物にだいたい費やされますから、予算をどう切り詰めるか。大きい企業さんはなかなか思うように奉納金を出してもらえないことが多いんで。 やっぱり奉納金いただくのは、町会の人が足運んで対面でお願いされるんですか?
三科:そうみたいですね。だからタイミングが大事だったり。あとは他のところがこれくらい出すからっていう相場がありますでしょ?
広瀬:そういうの見せあうんですよね、阿吽でね。あとは「前回並みにお願いします」みたいなね。奉加帳を見せながら「前回この値段でやらせてもらってますがいかがでしょう?」みたいなね。

語り手広瀬さん、聞き手三科さんのインタビューに続く 続きはこちらから

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