開催レポート ”千代田での丁寧な暮らし”を話そうワークショップ~第2回 豊かな五感が導く丁寧な暮らし開催レポート 

by 管理者
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2023年7月23日に、第2回「千代田での丁寧な暮らしを話そう」~豊かな五感が導く丁寧な暮らし~を千代田区在住の方を中心に参加者4名・企画メンバー4名の計8名の対話型ワークショップとして開催しました!
私たちの活動は、『丁寧な暮らし』をキーワードに、
①新たに出会った仲間と答えのない問いを考えることを楽しむこと。
②その新たな出会いが繋がりになること。
③生活者としての等身大の言葉を発信、共有できる場となること。
を目的としています。

1.はじめに

最初に私たちの活動の「忙しく慌ただしい現代、そして変化の激しい時代だからこそ、足元の暮らしに思いを巡らせることで、心の豊かさを手離さずに生きていくヒントが見つかるのではないかという」思いやこれまでの活動の経緯、今回のテーマ「豊かな五感が導く丁寧な暮らし」についての紹介をしました。
また、参加者の皆さんから自己紹介と今回の五感にちなみ「あなたが触っていていて心地いいなあと思うものを教えて下さい」というお話をしてもらいました。それぞれのお話から個々のライフスタイルが垣間見える個性あふれる自己紹介となりました。

2.前回の振り返り

また、前回のふりかえりとして「効率化は豊かな暮らしに繋がったのか」というテーマで開催した前回からの流れを感じて頂けるよう、6年という歳月をかけて制作された絵本「うさぎのクーモ」と、その本との出会いがもたらしてくれた豊かな時間についての紹介もしました。

3.ゲストトーク
ゲストの辻田祥子さん(アロマティック・リンパ・ドレナージュセラピスト)から、「触れる日々がくれた心と身体と暮らしの変化」というテーマでお話をしていただきました。 祥子さんが自身で感じ考え導きだしてきた言葉は等身大で唯一無二であり、そして、自然体で発せられる言葉を参加者も自然体で受け取っているように感じました。 【辻田祥子さんのトーク一部】
  • 五感というと外に開くイメージだが、感覚を研ぎ澄まして自身の身体に向き合うと自分のトリセツがわかる。
  • ルーティンあると自身の身体の変化(声)に気付きやすくなる。
  • 香りに対する感じ方の変化も身体のサイン。
  • ポジティブに考えたり行動できない時、それは体が休んでというサインを送ってくれている。自身に×をつけないで
  • 日々多くの方に触れているが、いつも触れながら会話をしているような気持ちになる。『触れる』という行為の豊かさ、皮膚感覚の大切さを日々実感する。
4.意識的に触れる体験

このセッションは、ゲストの辻田さんのお話を通じ「触れる」ことに対する考えが深まったタイミングで、改めて意識的に触れる体験をするのが狙いです。
千代田区神田錦町にある紙の専門商社「竹尾」より、日本の風土や美意識が育んだ繊細な色や風合いが反映された異なる質感の白い紙10枚をセレクト、10枚それぞれに質感の違いを反映した名前があります。2グループにわかれ、見て、触れマッチングしながら、質感の違いを、それを導く言葉「名前」の存在を意識しながら楽しみました。グループ内であれこれ言いながらの作業はブレイク的な時間となりました。

また日本には風の名前が2000以上あると言われ、蓄積されたデータをもとに解析されるのが常の現代にあって、自らの感覚に基づき認識する気配というものの豊かさについても思いを巡らせました。世界各国に存在する独特の擬音語もその国の風土が反映された豊かな言葉のひとつではないだろうかというご意見もありました。

5.対話

「経済的な豊かさが心の豊かさにスムーズに繋がらないのはなぜか」というテーマで全体でトークをしました。参加者の皆さんそれぞれの視点や考え方があり、異なる環境や経歴を経て育まれた人間性のバラエティとその豊かさを感じました。

【トーク(対話)の内容】

  • 昔家で言われた「うちはうち、人は人」という言葉を思い出す。人と比較し過ぎるために目の前にあるはずの豊かさを見失ってしまうのでは。
  • カナダ人留学生と新宿に行った時「新宿にはなんでもあるけど何にもない」と言われた。バンクバーには山しかない、でもそれがあると意識できている。日本では暮らしより仕事を優先する人が多く、豊かさを感じられなくなっているのでは。
  • 職場や家庭での自分の役割の中で自分を作っていると心の豊かさが失われるのではないか。役割を離れた自分が大事では。
  • 経済の豊かさと心の豊かさをはかる物差しが違うのでは。
  • モノを消費する側ではなく、生み出す側になると豊かさを感じられるようになるのでは。
  • 豊かさは何かの結果得られたり与えられたりするものではなく、自ら生み出すものなのではないか。
6.まとめ

今回、第2回目のワークショップを開催してみて、心理的な安心を感じられる場であることを前提に、100人いたら100通りの考えが聞ける場になること、そして、その場で出会った人と人とが緩やかに繋がれること、それらを少しずつだが実現できているような手ごたえを感じました。
充分な対話が可能な適正な規模があるようにも思うので、募集形態や告知タイミングなどを更に深く検討していきたい。また、千代田区には生活者として自分の言葉を持っている方が沢山いるという実感があるので、そうした人たちを発掘し等身大のリアルな言葉を発信、共有できる場としてもさらに進化できればと思います。回を重ねることで得られる新たな出会いと自然発生的な緩やかな展開を大切に変化していければと思います。
(主宰 黛茜さん)

【主宰の黛さんとゲストの辻田さんからのメッセージ】

  • 社会の問題や課題を誰かに委ねるのではなく、生活するひとりひとりが自分事として考えることの大切さ、そして実はそのこと自体が非常に豊かな時間をもたらしてくれるということを改めて深く感じました。(黛さん)
  • 素敵な機会をご一緒させていただき、本当にありがとございました。
    社会での役割の上での言葉ではなく、自分の内側からまだ出来立てホヤホヤのカタチにならない思いを交わし合う場、そんな時間と空間の共有出来る機会、本当にこれもまたかけがえのない幸せだなーと思いました。
    世界平和、そして、美しい世界はこんな優しい時間の共有の積み重ねから生まれてくるのではと強く思いました。
    また、次回の企画も、楽しみにしています。(辻田さん)

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